日本企業も多数出展!東京オートサロンクアラルンプールに出展したメーカー&プロショップにインタビュー!
イベント
今年で3回目の開催となった『東京オートサロン・クアラルンプール』。3日間の開催期間中には、昨年以上に多くの来場者が訪れ、展示車両を見て写真を撮ったり、出展ブースでの買い物を楽しんだり、ステージコンテンツで盛り上がったりと、思い思いに楽しんでいる様子だった。会場内には、日本から参加したメーカーやプロショップの出展ブースもあり、現地のクルマファンから注目を集めていた。そんな日本からの出展者に、東京オートサロン・クアラルンプールの印象や感想を伺ってみた。
ブランド展開、市場開拓などさまざまな出展理由と感触
会場の入口という特等席に大きなブースを構え、東京オートサロンでも話題となったソアラを現地に持ち込んで展示していたのは、トラスト&東名パワードの合同ブース。昨年に続いての出展となった昭和トラストの飯岡取締役に話を伺ってみると、
「全体的に、昨年よりもしっかりとした造作のブースが増えて、イベント全体の雰囲気がより“オートサロンらしく”なったと感じました。私たちも来年は、ブース作りにもさらに力を入れていきたいと考えています。物販はグッズ類が中心ですが、Tシャツはサイズや素材を吟味して、ステッカーはサイズを測って購入するなど、商品をしっかり確認してから選んでいただく方が多い印象です」とのこと。
東名パワードの里井取締役社長は、
「昨年はまず知名度アップを目的に出展しましたが、今年は物販にもチャレンジしてみました。持ち込み数が少なかったこともありますが、ジムニーやスイフト、EJ系などのパーツは、初日で売り切れてしまったアイテムもあり、正直ちょっと驚いています。昭和から平成にかけての頃の日本を思わせるような熱気を感じられて、今後も積極的にこの市場を開拓していきたいと強く感じましたね」と、新たな手応えを得た様子だった。
50周年を迎えた『TOMICA』は、節目にふさわしい大掛かりな出展ブースを構えて登場。マレーシアでも高い人気を誇る『頭文字D』とのコラボレーションによって、AE86の実車展示やアニメの世界観を再現したブース演出を行い、多くの来場者の注目を集めていた。なお、トミカは今後、バンコクオートサロンへの出展も予定しているという。
東京国際カスタムカーコンテスト2025にて、『ALESS CENTURY COMPLETE WL』がドレスアップ・セダン部門の最優秀賞を獲得したことを機に、今回が初出展となった『エーエスジャパン(ALESS)』。
上山代表に出展の意図を伺うと、「私たちは国内でセダンのカスタムをメインに展開しており、オリジナルパーツの開発や豊富な在庫も強みです。今回は、マレーシアでもこうしたセダンカスタム文化が受け入れられるのかを調査しつつ、現地のオーナーズクラブや代理店とのつながりが持てればと考えて出展しました」とのこと。
会期中は来場者との交流を積極的に行うとともに、最終日には現地出展者との交流会にも参加し、今後に向けたさまざまなルート開拓を模索していた様子だった。
今回の出展では『ALESS』とともに、『TOPSPEEDナロースタイル』も合同で参加。展示されたのは、Gクラスをベースに、クラシックグリルや16インチのスチールホイールを組み合わせてクラシカルな雰囲気に仕立てたオリジナルのナロースタイル仕様車だった。
イベント開催中には、なんと北米からボディキットに関する問い合わせが入り、販売につながるというサプライズも。英語が広く使われているマレーシアでは、SNSなどの情報発信も英語が中心であるため、偶然イベント情報が海外ユーザーの目に留まった可能性もありそうだ。
初年度の出展時には持ち込んだアイテムがほぼ完売するなど、マレーシアでも根強い人気を誇る『T&E(VERTEX)』。今年も多彩なグッズを用意しての出展となった。
「コラボステアリングなど、どんなカラーやデザインが人気というより、それぞれが欲しいものを自由に選んで買ってくれる感じですね」と語るのは、代表の上野高広氏。
ステージトークショーでは、自身のブランドコンセプトやドリフト競技の魅力についても語り、ブースにはかつての雑誌や写真を持参して訪れる熱心なファンの姿も多く見られた。長年にわたり築かれてきたブランドの存在感と、現地での根強い支持を感じさせる出展となっていた。
現地代理店はタイやインドネシアなどからの参加も
最近では、日本のメーカーが直接出展するだけでなく、現地代理店が主導してブースを構え、日本からはゲストとして参加するというスタイルも増えてきている。
この形なら、より本格的なブース展開が可能になるうえ、現地での決済や販売品の物流管理といった面でもメリットが大きい。展示車両についても、現地のクルマを使えば日本からの輸送コストを抑えることができるのも大きな利点だ。
また、この地域は国境を越えてイベントに参加するハードルが低いこともあり、実際にタイの代理店がマレーシアで出展する例も多く見られた。こうした柔軟なスタイルが、今後ますますスタンダードになっていくかもしれない。
東京国際カスタムカーコンテスト2025でグランプリを受賞した『マツキヨ 刻 3ローター NA-7 by RE雨宮』が、スペシャルゲストとしてマレーシアに上陸。日本から招待されたこの1台に加え、マレーシア側が用意したFD3Sも並べて展示され、RE雨宮ブースはひときわ大きな注目を集めていた。
ブースでは、現地公式コラボとして制作された限定Tシャツなどのアイテムも販売され、来場者の人気を集めていたほか、現地ファンとの交流も盛んに行われた。また、RE雨宮・雨宮剣氏も現地入りし、ステージトークでは車両の製作背景や、ロータリーエンジンへのこだわり、これからのチューニング文化について熱く語った。
タイの代理店がブース展開を行い、トップシークレットは計3台を展示。日本から招待された『TOPSECRET VR32 STEALTH』に加え、タイ側が用意した2台を並べ、現地でも大きな注目を集めていた。
ブースでは、このイベントにあわせて制作されたトップシークレットのヒストリーブック(英語版)を求めて多くの来場者が列を作る盛況ぶり。永田代表はサインを求めるファンに囲まれ、3日間ほとんど会場を見て回る時間もないほどだった。
『東京オートサロン・クアラルンプール』に初出展となったリバティーウォークは、日本から海外初披露となる『F40』と、L28エンジンを搭載した『LB-SUPER SILHOUETTE ER34』の2台を展示。車両は日本から招待され、ブースの設営やグッズ販売は現地代理店が担当した。
期間中、ブースには終始長い列ができ、注目度の高さを物語っていた。ステージトークにも登壇した加藤代表は「F40の海外初お披露目ということで、すごく注目を集めましたね。子どもたちを助手席に乗せてあげたりもして、マレーシアの皆さんに楽しんでもらえたんじゃないかと思います」と語った。
今回が初出展となったジェイズレーシングは、現地代理店によって大規模なブース展開を実施。コンテナを改装して作られたブースには、現地で製作されたレプリカ仕様のS2000デモカーが展示され、新作のGTウイングやカーボンボンネットもこの場で初披露された。さらに、イベント限定のミニカーも注目を集め、開場と同時にブースに駆け込む来場者の姿が印象的だった。
『KUHL JAPAN』は、マレーシア国内の2つの代理店が合同でブースを出展。スープラやGT-Rといったスポーツカーに加え、アルファードやヴェルファイアなどのミニバンも展示された。
中でもオリジナルエアロや内装カスタムを施した新型ヴェルファイアは注目を集め、コンテストのドレスアップミニバン/ワゴン部門で優秀賞を受賞。片岡代表も現地入りし、ステージイベントに登壇するなど、マレーシアでのブランド浸透が着実に進んでいる印象を受けた。
東京国際カスタムカーコンテスト2025のコンセプトカー部門で優秀賞を受賞した『CREWCH★クルウチ妄想のGT-R356C』も、日本からの招待車両として会場に登場。ユニークなデザインとインパクト抜群のスタイリングは、会場の中でもひときわ目を引き、特に子どもたちから絶大な人気を集めていた。展示車両の前では、記念撮影を楽しむファミリーの姿も多く見られた。
また、クルウチが運営する『クルウチ博物館』内には、前GT-RおよびフェアレディZの統括責任者・田村宏志氏をテーマにした『田村宏志ミュージアム』が併設されている関係もあり、今回の現地ブースでは田村氏による即席サイン会が開催されるなど、サプライズも満載の内容となった。
現地代理店の出展にともないゲストとして招かれたというMAX織戸氏と娘の茉彩さんは、ブースでのサイン会やステージトークショーなどで注目を浴びていた。
『ヴェイルサイド』はタイの代理店が『RX-7 Fortune』を展示するとともにグッズ販売などを実施。『VARIS』はマレーシアの代理店がブースを構えていたほか、ユーザーカー展示エリアにも多くのエアロ装着車の姿を確認することができた。
3年目の開催。大規模ブースの増加と今後の課題

ユーザーカーが中心だった初年度に比べて、出展ブースの数や規模が着実に増加している印象を受けた今回の『東京オートサロン・クアラルンプール』。自動車メーカーではNISSANの姿が見られた程度だったが、大小さまざまな規模のブースが立ち並び、その内容やジャンルも実に多彩。とくに展示車両の完成度が高く、思わず日本国内のイベントと錯覚しそうになる瞬間すらあった。
一方で、ユーザーカーエリアも個性派揃いのマシンが多数並び、屋外で行われたユーザーミーティングも1日に何度か展示車両が入れ替わる仕組みのため、来場者を飽きさせない工夫が随所に感じられた。ストリートからプロショップまで、多様な文化がひとつの会場に集まるこのイベントの魅力は、回を重ねるごとに確実に増しているようだ。

会場内の出展内容としては、車両展示とグッズ販売が中心。とくにミニカーやアパレルなど、本イベント限定のアイテムが多数用意されており、来場者からの注目度は非常に高かった。事前にSNSなどで情報をチェックしていたファンも多く、なかには深夜からオープン待ちの列に並ぶ来場者の姿も見られたほどだ。
たとえば、AUTHENTIC WHEELSとDPLSがアパレルブランド『UNDEFEATED』とコラボレーションして製作したRWB仕様のポルシェは、同じデザインを採用したミニカーが会場限定で販売され、即完売となる人気ぶりだった。展示車両とグッズの世界観を統一した演出も印象的で、多くの来場者が足を止めていた。
一方で、実車用のオリジナルパーツや関連部品の展示・販売は、現時点ではあまり見られなかった。東名パワードの里井代表も「エンジンパーツを持ち込んだとしても、興味を持ってもらえるか、実際に売れるかはまだ未知数」と語るように、ハードパーツの需要や認知にはまだ課題が残る。
また、現地のプロショップにとっては出展料がハードルとなっているケースもあり、参加を見送らざるを得ない状況もあるようだ。
それでも、3年間で確実に来場者数を伸ばし、会場の熱量も年々高まっている『東京オートサロン・クアラルンプール』。今後、より多様な出展が実現することで、さらに充実したイベントへと進化していくことが期待される。
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