最小構成で最大限の威力を発揮!

レーシングコンストラクターとして1980年代から活躍する名門サード。説明するまでもなくトヨタのスポーツモデルを熟知する同社だが、総合パーツメーカーとして注力しているのがエアロパーツの開発である。

以前はバンパースポイラータイプを中心にプロデュースしてきたが、最近ではGRスポーツカーの優れた純正デザインを活かすためにハーフスポイラータイプを軸にしたエアロ構成を採用するようになった。

その上で、よりハードなスポーツ走行を楽しむユーザーに向けて、純正バンパーの性能を向上させることに拘る。その設計を支えるのが、数々のレース活動から得たデータを蓄積した空力解析技術である。PCでのシミュレーションにより、ダウンフォースを高めつつドラッグの増加を最小限とするデザインを導き出す。その結果として生まれたのが、スーパーGTマシンのエアロを彷彿とさせるシルエットなのだ。

取材したGRヤリス(MC後)を見ると、サブラジエターやATFクーラーへと積極的に導風するフロントリップ、純正同サイズに収めながら整流効果とリフト抑制効果を発揮させるフロントフェンダーなど、機能を突き詰めた仕立てが見て取れるだろう。

そして、サードのお家芸とも言えるリヤウイングは、保安基準の範囲内で最大限のダウンフォースを発揮させるべく、車両のより後方のより高い位置にマウント。もはやフルバンパーを必要としない超高機能が、GT1パフォーマンスエアロには詰め込まれているのだ。