GTⅢ-RSターボキットの登場でパワーアップの選択肢が広がったGR86/BRZチューニング。現状はNAのままというユーザーが大半だろう。そこで今回は、HKSのアンテナショップ『HKSテクニカルファクトリー(HKS-TF)』協力の元、それぞれのメニューの推し所や予算感などをレクチャーしてもらうことに。

絶対的なパワーを求めるなら全域トルクフルなターボ仕様

同じ過給機でもS/C仕様とは異なり、下から一気にトルクが立ち上がってくるターボ仕様。

パワーチェック結果を見ても、その違いは明らか。S/C仕様のピークトルクは5800rpmなのに対し、ターボ仕様は3700rpmとなっており、ひとたびアクセルを踏み込めば刺激的な加速が味わえる。最高出力は332㎰だ。

しかも、これはブースト圧0.7kg/㎠の純正インジェクター仕様での結果。インジェクター容量を拡大して、ブースト圧を高めれば400㎰も視野に入る。さらなる発展性があるのもターボ仕様の魅力と言える。

ただし、トルク変動が大きいターボ仕様は、それだけ駆動系への負担も大きい。FコンiS制御なら純正クラッチでも対応できるが、HKS-TFのオリジナルECU制御では中間トルクが増すため強化クラッチへの変更が必要になる。また、スーパーチャージャーと比べて構成部品が多いだけに導入コストはかさむ方向。キット価格だけでも約30万円の差があり、ターボの方が敷居は高いのも事実。じっくり吟味したい。

なお予算感としては145万9000円がスタートラインとなる。