街乗りは当然、ワインディングやサーキット走行など、どんな場所でもクルマを安全に走らせるためには、キチンとしたブレーキシステムが必須となる。ストリート向けのブレーキならば、冷間時でも制動力はあるか? 不用意な鳴きはないか? などの要素も重要。極限を求めるハードな走行環境下ならば、電子制御されているABSやVSC等との親和性は? コントロール性や制動力はどうだ? などの要素も求められる。今回はブレーキの大手4メーカーの最新ブレーキアイテムを使って、その実力をテストしていこう。

ベストラップ更新も狙えるサーキットスペック

チューニングカーから競技車両まで幅広いニーズにマッチしたアイテムをラインアップするプロジェクト・ミュー。中でもブレーキパッドは車種ラインアップも豊富で、さらに純正交換タイプからストリート向け、ストリートスポーツ、ドリフトなどあらゆるジャンルに合わせ、さらにその中でも志向に合わせたアイテムが充実している。

そのため走行ステージや効きの特性やバランスなど、様々な組み合わせから理想のパッドを見つけることができるのだ。

そんなプロジェクト・ミューで人気を集めるのがストリートスポーツに位置する“HC+”。この基本性能を踏襲しながらさらに耐フェード性をアップさせ、“HC+”の適正温度域が0℃~だったのに対し、“HC+R3”では50℃~に設定された。

ユーザーとして想定したのは、ワインディングからサーキットで気持ちよく走るユーザー層。ゆえにサーキットでベストタイムの更新を目指すユーザーにもオススメだという。そんなターゲットに合わせ、磨材は新たな配合で設計。とくにABSやトラコンが介入する現代のクルマに合わせ、効きはじめのポイントを遅らせるようにアレンジされている。もちろん絶対的な制動力はあるので、効き始めればカッチリ感があり、踏力に応じたブレーキングコントロールも思い通りになるという性能がウリだ。

ノーマルのブレーキキャリパーでも「ブレーキをスポーティな方向性に変えてみたい」そんな欲求を満たしてくれるのは、テスト車両で走り込みを行なっているプロジェクト・ミューの真面目なブレーキ造りがなせるワザなのだ。

Implession by
NOB谷口×佐々木MASA

佐々木:最初に乗った時はまだ温まってなかったんですが、温まってくると本領を発揮してくれますね。ブレーキング時のコントロール性は高いですし、何より制動力としても短い距離でしっかり止まってくれる。ペダルストロークを使って自在にブレーキコントロールしたいって人には十分に満足できる仕上がりですね!

谷口:ボクが乗った時はブレーキが温まっていたから、MASAが感じた違和感は一切感じなかったね。温度域で言えばかなりスポーティな印象だけど、実際は効きはじめが優しい感じ。奥でグッと効くからコントロールもしやすいのは大きなメリットだね。この特性ならワインディングからサーキットまでってシチュエーションだけでなく、ストリート向けパッドとしても使えるよね。