街乗りは当然、ワインディングやサーキット走行など、どんな場所でもクルマを安全に走らせるためには、キチンとしたブレーキシステムが必須となる。ストリート向けのブレーキならば、冷間時でも制動力はあるか? 不用意な鳴きはないか? などの要素も重要。極限を求めるハードな走行環境下ならば、電子制御されているABSやVSC等との親和性は? コントロール性や制動力はどうだ? などの要素も求められる。今回はブレーキの大手4メーカーの最新ブレーキアイテムを使って、その実力をテストしていこう。

ブレーキチューンのファーストステップ

ブレーキチューンの第一歩と言えば、パッド交換と考えるのが一般的。しかしブレーキパッドの能力を十分に引き出すためには、周辺環境を整えておくことも重要。そんなブレーキチューンのファーストステップに役立つアイテムをリリースするのがウインマックスだ。

周辺環境としてまず気をつけておきたいのがブレーキフルードだ。その理由は湿気を吸って劣化したり、熱が加わると粘度低下が起こってペダルタッチが悪くなったり、ブレーキの効きを悪化させてしまうのだ。そのためパッドとともにフルードの交換は必須。

また純正のブレーキホースはゴム素材を使用しているものがほとんど。このゴムホースは圧がかかると膨張して圧力を逃してしまうため、ブレーキペダルを踏み込んだ力がブレーキに伝わらず、微妙なコントロールに対応できないのだ。そこで必要になるのがステンレスメッシュ被膜で膨張を抑えたメッシュホースだ。これらを踏まえたうえでパッドを交換すれば、狙い通りのブレーキ性能を手にいれることが可能になるというわけだ。

今回チョイスしたパッドはワインディングからミニサーキットを想定したアルマスポーツ。中でも耐熱性と効きを重視した“AP3”はサーキット派のGRヤリスにジャストフィットする。これらウインマックスがラインアップする三種の神器を装着すれば、安心して走りを楽しめるはずだ。

Implession by
NOB谷口×佐々木MASA

谷口:「絶対的な効きで言ったら、今回乗り比べた中で最も効くブレーキだね。パッドがローターに張り付いてるんじゃないかってくらい確かな手応えがあるし、温度が上がっていくとさらにそれが顕著になる。パッドの効果もあるんだけど、ホースも変えてあるから効きの違いもしっかり感じ取れるよね。

佐々木:そうですね。乗りはじめて一発目のブレーキでは予想以上に減速しちゃいましたよ。初期からグッと押さえつける感覚があるので、油断するとABSが作動しちゃうのは正確なブレーキ操作が求められるところですね。でもその分だけ操作をしっかり覚えられますし、何よりもこの制動力はイザという時の安心感にも繋がるはずですよ。