【WRC】やっかいなニッポンの林道

11月下旬の開催が近づいてきたWRC第13戦ラリージャパン。
3回目の開催ということで、ツイスティな林道を使用したターマックラリーとしてお馴染みのイベントになったと思いきや、チーム、ドライバーにとっては非常に厄介なラウンドになっているという。
その理由は、まずは“植物”。普段あまり多くのクルマが通行しない林道が舞台ということで、路面に苔が覆う箇所が多く、また、この時期ならではの落ち葉も降り積もり、ヘタに乗り上げるとマシンは一気にグリップを失う。このような各特殊性にドライバーがどう対処しているのか、勝田貴元に聞いた。

【DRIVER】60周年のレジェンド2名

「星野は時代に翻弄された人物であり、世が世なれば、日本のモータースポーツ史、あるいは世界のモータースポーツ史をまったく異なるものに書き換えていたかもしれない──」。現チームインパルの総監督である星野一義が、現役ドライバー時代から取材を続けるモータースポーツ・ジャーナリストの大串信氏は、その存在をこう評す。1964年から数えきれないほどのドライバーの取材を行なってきたオートスポーツだが、日本のレジェンドは誰か? と問われた際、引退したドライバーとしては星野一義、現役では佐藤琢磨を挙げたい。2名の実像にあらためて迫った。

【JGTC/SUPER GT】ハコレース2大成功例の共通点

派手なエアロパーツをまとい、エキゾーストからも豪快な炎を吐き出すマシンによる共演。70年代後半から80年代初頭にかけてサポートレースとして開催されながら、メインレースを凌駕する人気を博した「富士スーパーシルエット」は、ニッサンのモータースポーツ部門を長年率いてきた柿元邦彦氏のレース観に大きな影響を及ぼした。後に、同様に成功を収めるJGTC/スーパーGTにも通じる人気の秘密とはどのようなものだったのか。柿元氏にその勘所と、JGTC/スーパーGTに受け継がれたものについて解説いただいた。

【JGTC/SUPER GT】異なるふたつのJGTC

1993年の全日本GT選手権(JGTC)は、実施された3戦が「開催成立」として認められながら、94年からの全日本GT選手権(JGTC)とは別物とされている。実際に、プロモーターであるGTアソシエイション(GT-A)は、自らの歴史に93年のシリーズを含めていない。同じ名称を使いながら、なぜこのようなことが起こったのか。JAFの認識も含めた当時の状況に加え、94年からリスタートとなり現在のスーパーGTの礎となった“JGTC元年”を、当時レギュレーションの策定に関わっていた関係者の声を交え、整理する。

【SUPER GT】新規定チャンピオンカーの全容

日本サイドでは発想できていなかった主要部品の共通化。将来的なDTMとの統一戦も踏まえドイツ生まれのその思想を取り込んだことで、日本のレース界は価値観の一部を変え、スーパーGTのGT500クラスは今日まで継続している。約5年にわたる紆余曲折の末、新時代を拓いた2014年GT500車両規定。日本ならではの技術競争の枠組みを残したことで、それまでの09年規定のマシンを圧倒する性能を手に入れつつ、大命題であったコストカットにも成功する。その成り立ちを同年のチャンピオンマシン、MOTUL AUTECH GT-Rに見る。

【SUPER GT】必須だが、難産必至の2014年規定

現在のスーパーGT・GT500クラスのマシンは、ドイツ生まれの思想を日本ならではの事情に合わせ込んだ2014年規定がベースとされる。それまで自動車メーカーが威信をかけ用意していたマシンはコストがかかり過ぎていたうえ、これにリーマンショックが拍車をかけ、GT500はその存在が危うきものとなっていた。費用面で、ハードウェアとレースフォーマットの刷新が必須となったが、そこに持ち込まれたのがドイツからのDTM車両との技術規則の共用案。主要コンポーネンツの共通化によるコストダウンは大きな魅力だったが、異文化との融合と折衝は、波瀾万丈に満ちたものだった。

auto sport 2024年12月号 No.1602

発売日:2024年10月29日
特別定価:1700円

autosport view

TOYOTA GAZOO Racing × HAAS F1 Team
【 本誌分析・推測 】 コラボの向こう側。

WRC Rally Japan 2024 Special Preview
《 ラリージャパン2024の走り方 》
“頻出”状況別傾向と対策
“滑走”厳禁。

「フォーメーションラップ」 Produced by auto sport

[ 特集 ] The Story of Mr. CRAZY.
ミスター・クレイジーの肖像
星野一義/佐藤琢磨

星野一義を追う者たちへ 『日本一』の皮肉

佐藤琢磨が描く第二章 「おっさんだから」できること

[ オートスポーツ創刊60周年記念特集 第4弾 ]
日本のハコレース創造史
── JGTC/スーパーGTの場合

魅せたのは、その存在 スーパーシルエットから、JGTC/スーパーGTへ

初年度は「1994」 別物だった93年と94年の全日本GT選手権

ゼロからイチの結節点 こうしてJGTCは“小さく”生まれた

[私論]リノベ物件に淘汰された「濃いレース」
ファンが選んだのはJTCCよりJGTCだった

30年のエボリューション GT500車両規定の軌跡

黒船来りて── 2014 SUPER GT GT500 CHAMPION MACHINE MOTUL AUTECH GT-R

車両規定を“創る”ということ
14年規定の成立までの波乱万丈記

うたかた 夢の残照
日独統一GTレースシリーズ構想
その最初で最後の成果物の損なわれぬ価値

14年規則制定と
その後におけるエンジニアの苦労
CLASS 1が教えてくれた

会議体から見える最新GT500技術戦 NISMO鶴見ファクトリー訪問

NISMO ── 強者たる所以と新流儀

Magic of Carbonfiber
フシギな黒い炭素の繊維が「見慣れた形」に変わるエピローグ
紡ぎ、浸み込み、「地」極まる。

第22回 学生フォーミュラ日本大会2024
[ テクニカルレビュー ]エンジニア甲子園。

スーパーGTニュース
あけっぴろげな強さの秘密

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三つ巴のSF最終鈴鹿決戦プレビュー
最速か、最強か。

スーパー耐久ポスト
aprが鈴鹿を制圧 4チーム目のウイナーに ほか

Vol.04 小松礼雄ができるまで。
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松田次生のF1オンボード解説

Scale model study ── 80年代プラモを蘇らせる

「ぼくの大好きな競争自動車」 大串 信
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天野雅彦のアメリカンモーターレーシング ★最新事情★
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熱血RQ道 ── 川瀬もえ
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the force of NAPAC

Hello, Motor Racing !