いまだドリフターから根強い人気!

日本に拠点を構えるエアロメーカーの中でも、特にドリフト界で知られているメーカーの筆頭が『BNスポーツ』だろう。地面に擦りそうなほどまで低く、しかもワイドに張り出したフォルムは、ワルっぽさを感じさせながらもカッコ良く見えるスタイリング。ドリフトとのイメージも共通することから、ドリ車の定番エアロとして根付いている。

エアロをデザインしているのは、代表であるHOWLADER MOTIN ABDUL(ホラダー・モティン・アブドゥル)さんというバングラディシュ出身の方。日本へ普通の旅行に来た時にたまたま見たドリフトに感銘を受けたのがことの始まりだ。

ドリフトを見に日本へ通い詰めるうちに、ドリフトで求められているエアロを作ろうと日本でFRPを扱う会社に入ってエアロ製作をマスター。ある程度エアロを製造する技術が付いたところで独立し、BNスポーツを立ち上げたそうなのだ。

当時からドリフトドライバーの意見を聞き、走行可能な車高のままでもワイド&ローに見せるエアロデザインを考案。また、多少ぶつかっても割れないように柔軟性のある樹脂を使ったり、割れやすい場所を補強したり…など、ドリフト界が求めるエアロを作り上げていったのだ。

ドリフトユーザー目線で作られた製品のため、デザインを魅力としているメーカーとはひと味もふた味も違う。実用性が高くてルックスも良い…といった話は、ドリフトユーザーの口コミで広がりやすいもの。今でもJZX100のエアロは数ヵ月のバックオーダーを抱える人気だというから、ホラダーさんの狙いは間違っていなかったのだろう。

このER34スカイラインのボディキットは、東京オートサロン2024で発表された新作だ。25GTをGT-R風に仕立てるキットで、完全なGT-Rを再現するのではなく、本物よりも5~10mmワイドにして迫力を追求している。

いまだドリフターたちの意見をカタチに、独自性を貫いたブランド展開を続けているわけだ。