創刊から1601号目となるauto sport 2024年11月号は、F1 HONDA特集です。付録には、ホンダF1参戦60周年ステッカーg暑いてます。

【FORMULA1】F1参戦60年の、紆余曲折

F1初参戦は1964年。二輪では市販車販売でもモータースポーツでも実績があったものの、四輪にいたっては量産車を発売開始した翌年からの挑戦だった。しかしながら、参戦2年目となる65年には早くも初勝利を挙げる快挙。参戦第二期は、83年から10年間戦い“最強のホンダ”のイメージを世界に植え付けた。2000年代の9年間で1勝しかできなかった苦闘の第三期、そして新世代パワーユニットでもタイトルを獲得してみせた15年からの第4期など、紆余曲折を経てきた。参戦60年を迎えたホンダのF1活動を、多角的に振り返る。

【FORMULA1】過去を踏まえ、新生HRCが目指すもの

 そのDNAは、モータースポーツと直結する。四輪のみならず、二輪でも世界最高峰へ挑戦し双方でタイトルを積み重ねるメーカーは、現在ホンダしかいない。ホンダのモータースポーツ専業カンパニーとして新生なったHRCを2022年から統括し、アメリカのレースを担ってきたHPDのHRC USへの社名変更や、F1でのアストンマーティンとの提携にも手腕を振るった渡辺康治社長に、F1初参戦から節目となる今年、「60周年の意義」と「26年からスタートする第五期活動」について聞いた。そして、まず発せられたのは、先輩たちへの感謝と敬意の言葉だった。

【FORMULA1】RA272から見てとれる“超”先進性

 ホンダは四輪自動車レースの最高峰であるF1に、いきなり挑戦するという、ある意味“暴挙”におよんだ。しかしこの突進力こそが新興自動車メーカーであるホンダという企業の武器だったのだろう。知見のある二輪用エンジンをそのまま拡大して、「横置きで載せてしまえばいいのではないか」と発想をする。そして、このエンジンを積んだホンダ初のF1マシン、RA271は1964年シーズン半ばに実戦デビューを果たし、その改良発展版であるRA272は翌年、シリーズ最終戦でホンダにとって初めての優勝をもたらした。現存するRA272から、ホンダイズムの原点を窺い知る。

【FORMULA1】宗一郎から受け継がれる「ホンダたる」所以

 ホンダが製品を生み出すうえで最も重要となるのが、作り手の創造力や独創性であることは言うまでもない。さらにいえば、ひとりひとりの従業員が発揮する個性を尊重し、それを製品にまで昇華させる企業風土にあるといっても過言ではないだろう。彼らを伸び伸びと育む文化があったからこそ、ホンダは「ホンダらしい製品」を生み出すことができたのである。そこに、創業者である本田宗一郎という人物の思いや、彼自身の個性が強く働いていることは疑う余地がない。宗一郎自身が独創的な技術者であり、個性豊かな製品企画者だったのだ。

【SUPER GT】絆が生み出した、新たな“ファン”

 時には国内で、そして時にはワールドワイドに、ドライバーとスポンサーとしての関係性だけではなく、各々の立場で挑戦を続けパートナーシップを築いた40年強。中嶋悟とEPSON。近年はそれぞれの強みを活かしレースのみならず、ファンに笑顔をもたらす取り組みを実施している。2004年に誕生したペーパークラフトは今や大人気コンテンツとなり、ファンが毎年、新作の登場を心待ちにしている状況となる。そして、ついに24年バージョンが完成。マシンがNSX-GTからシビック・タイプR-GTへと変わったが、細部の作りは相変わらずのハイクオリティとなっている。

【SUPER TAIKYU】ワンデー開催という、新チャレンジ

 スーパー耐久第4戦もてぎで、土曜日に予選&決勝を行なうという初のワンデーレースが実施された。これまでもスーパー耐久機構とエントラントのあいだで話し合いが行なわれてきたが、ワンデー開催に向けた議論の発端は、近年の夏の暑さ。健康を害しかねない高温で、しかも8月のもてぎは盆地で熱がこもりやすいということもあり、かといって代替日程を組むことは難しく、負担軽減などのメリットがあるかどうかも含め実戦で検証が行なわれた。賛否はあったものの、ワンデー開催は無事終了。記念すべきレースは、前戦をトラブルで失ったダイシンがリベンジに成功している。

auto sport 2024年11月号 No.1601

発売日:2024年9月28日
定価:1200円
綴込付録:ホンダF1参戦60周年ステッカー

autosport view
3

WEC 6 Hours of Fuji 2024
[ Photo Documentary ] NARROW.
トヨタ、狭すぎた勝利への道筋
8

[ オートスポーツ創刊60周年記念特集 第3弾 ]
四輪の世界最高峰へ──初めて挑んで60年。
HONDA F1
頂点と原点
現在と過去から探る“ホンダらしさ”のフィロソフィ
20

ホンダF1ヒストリー  初参戦から60年の要点
参戦、撤退。失望、歓喜。
紆余曲折にもほどがある。
22

渡辺康治 HRC社長 特別インタビュー
ホンダがF1をやる意義とは?
DNAを表現する、唯一無二の選択肢。
28

インタビュー 吉野誠 レッドブル PUチーフメカニック
世界一のネジ締め。
“手感”が命のPUメカニック
空力優先のマシンで求められる資質とは?
32

HONDA RA272
【 車体/時代背景編 】 伝説のはじまり。
【 エンジン編 】 “バイク屋”ホンダの勝ち技
36

角田裕毅 × RA272 奇跡のおばあちゃん
英国伝統の祭典「グッドウッド」で、ホンダが刻んだ記憶とこれから
62

Ending Column
ワガママオヤジじゃ、だめですか。
本田宗一郎から受け継がれる、彼らが彼らである所以
68

Story of Carbonfiber
未知の化学繊維だった「カーボンファイバー」は
どうやってレーシングカーに革命を起こしていったのか
世界をひっくり返した黒い糸
72

EPSON ── 紡いだ絆と、続く冒険
80

DeAgostini JAPAN ── これ、ヤバすぎ!
82

スーパーフォーミュラタイムズ
俺はもう折れない。
笑顔なきクライマックスに浮かび上がった
残酷な“伏線回収”とダンデのふたり
84

スーパー耐久ポスト
ダイシンが前戦のリベンジ達成 ほか
88

Vol.03 小松礼雄ができるまで。
最愛の父親との突然の別れ
90

松田次生のF1オンボード解説
92

Formula One Leading-edge Technologies
ライバルも手懐けられなかった RB20の“鬼才”的サイドポッド
94

Scale model study ── 独自考案のホイールで決める
96

「ぼくの大好きな競争自動車」 大串 信
帰ってきたタワー3階 by 木下隆之
97

天野雅彦のアメリカンモーターレーシング ★最新事情★
RED-HOT USA
98

熱血RQ道 ── 水瀬琴音
AUTO SPORT SIGN BOARD
100

auto sport × MS-models
101

Bライ・マシン探求記 アルピーヌA110R [-DFM5P4-]
102

the force of NAPAC
104

Hello, Motor Racing !
105

Presents for Readers/次号予告
106