2014年のSEMAショーから人気が爆発!

クルマの基本性能を妨げることのない機能性と、停車中でも走る姿を想像できるスタイリングを大切にしているアーティシャンスピリッツ。レクサスを軸にしたラインアップから、高級感のあるエアロメーカーというイメージの人も多いだろう。

同社にとってレクサスのイメージが強まったきっかけが、レクサスUSAブースに展示されたNX200tにアーティシャンスピリッツのエアロが採用された、2014年のSEMAショーだ。当時はSUVにリップスポイラーを装着すること自体が斬新で「純正のボディラインを活かしながら、リップスポイラー装着だけで、こんなにも見栄えが変わるのか」と注目を集めた。

さらに、2016年のSEMAショーでは、車両が発表された直後のLC500のフルエアロを開発し、再びレクサスUSAブースで展示された。LCとともにアーティシャンスピリッツが手掛けたスタイリングも大きな話題となり、北米でのブランド認知を不動のものにしたのだった。

また、海外のレースカーに対するエアロ供給も積極的に行なっていて、フォーミュラドリフトUSAやパイクスピーク参加車両などが採用。日本でも風間オートサービスがFDJでIS500に同社製エアロを装備しているが、競技にも対応する機能性を重視した設計が施されているのだ。

そんなアーティシャンスピリッツのエアロ製作は、実車を3Dスキャンして精密な寸法を計測するところからスタートする。次に代表の公文さんが考えるエアロをスケッチ画に起こし、これを元にPCで3D化。各寸法を当てはめた後にNC旋盤で型を削り出してエアロを製作するという、比較的新しいデジタルな手法を取り入れている。

エアロを製作する本社工場は冷暖房が完備され、一定の室温が保たれることで樹脂が乾く時間をコントロール。品質にムラが無く、フィッティング精度の高いエアロが作られている。

もちろん、このGR86用ワイドボディキットも同じ工程で設計・製作され、スポーティさを前面に押し出したデザインを採用。空力的にもアメリカのレーシングチームからの助言を参考にして、形状やダクトの位置を考えて設計されているのだ。