ターボエンジンのパワーを引き出すべし!ブーストコントローラー見聞録 Part.2
インフォメーション
ターボエンジンは排気の圧力を利用してタービンを回し、吸入空気を圧縮してより多くの燃料を燃やせるようになるという仕組み。この押し込まれる空気は、ある一定の圧力(ブースト圧)が掛かると排気管へとバイパスされ、それ以上ブーストが掛からないようになっている。この圧力の上限を決定しているバルブ(弁)装置が『アクチュエーター』や『ウエストゲート』だ。このバイパス装置にいく圧力を絞ることで弁の開閉を調整し、ブースト圧を高められるようにするのが『ブーストコントローラー』の役割となる。そんなブーストコントローラーの新旧ラインナップを深掘りしていく。
HKS Power Editor

従来型のブーストコントローラーでは制御することができなかった、『電動式』や『負圧制御式』のアクチュエーターを採用するターボ車のブーストアップを可能にしたブーストコントローラー。
装着は「圧力センサー」と「ECU」の間に、パワーエディターのカプラーを割り込ませるだけという手軽なもの。パワーエディターの装着は、バッテリー交換ができる程度の知識があるならば、よほどのメカ音痴でない限りDIYでも可能というお手軽さだ。
また、手持ちのパソコン(Windows10、11)に、パワーエディター用のEasy Writerをダウンロードし、同梱のUSBハーネスで本体と接続すれば、ブーストアップデータを書き換えることも可能だ。
参考までにGRヤリスでのプリセットデータでは、ノーマル時のブースト圧が1.51kg/㎠のところ、1.71kg/㎠までブーストアップ。最高出力はノーマルの235.6psから248.4psへ。最大トルクは36.2kgmから38.3kgmへとアップ。また4800rpm時のパワーでは21.7ps、3500rpm時のトルクでは4.4kgmもの性能向上を達成している。
HKS Power Editor R
パワーエディターの補正マップは「電圧補正2ch、2Dマップ」だが、それに対し『パワーエディターR』では「電圧補正4ch、3Dマップ」へと進化。他にも、車速補正マップやスロットル補正マップなども設定され、より精密なセッティングを取ることが可能になっている。
さらに、『データモニタ機能』では、リアルタイムでマップの読取り位置を追尾。「REV」「SPD」「THR」の各グラフ表示では、感覚的に確認したいポイントを見つけることが可能で、ログデータを後から確認することもできる。
その他、『データロック機能』や、エンジンの始動から補正を掛け始めるまでの時間を設定することができる『ウォームアップタイム機能』や『ノイズキャンセル機能』なども搭載される。
ブリッツ パワコン

ターボエンジンのブースト圧を最適制御することで、スムーズで無理のないブースト&パワーアップを実現。その内容は、純正ECUが制御している範囲内で車種毎に綿密なセッティングが取られているので、エンジンに掛かる負担やリスクも最小限に留められ、マシントラブルの心配も皆無で安心してハイパワーを楽しめるのが嬉しい。
パワーアップの度合いは車種によってマチマチなので、詳しくはブリッツのWEBサイトを見てもらいたいが、概ね5~10%ものパワーアップが達成されるという逸品! パワコンのプライスを見てもらえれば分ると思うけど、「付けなきゃ損」と言って良いほどの費用対効果の高さもウリだ。
Pivot POWER DRIVE

あらかじめプログラミングされている9段階のブーストアップレベルを、任意で選ぶことが可能。走るステージやクルマの状態等によって好みのブースト圧(パワー)が選べる。装着はもちろんカプラーオンで、本体には2重耐水コートの基板と結露を防ぐ排水構造を採用しているので、水によるショートや腐食などを阻止。圧力センサーへの配線も、トラブルのない独自の専用防水コネクターを採用するなど、盤石のウォータープルーフ仕様というのが頼もしい。
また、スイッチによる手動切り換えだけでなく、万が一の製品トラブル時には自動的にノーマル状態に復旧するセーフティシステムも搭載。ディーラーなどでのECUバージョンアップや点検・修理時にも支障がないのも安心だ。
TOM’S ブーストUPパーツ POWER BOX

レースシーンだけでなく、トヨタ系のカスタマイズパーツでも名門となるトムス。このパワーボックスは、圧力センサー値をコントロールすることでブースト圧を上昇させ、体感可能なパワー&トルクの向上を実現させるというもの。
レクサスの3.5Lターボ(V35A-FTS)、トヨタの2Lターボ(8AR-FTS)、1.2Lターボ(8NR-FTS)、そしてGRヤリスの1.6Lターボ(G16E-GTS)用として『POWER BOX』を厳選開発。
パワーボックスの装着による社内テストでは、クラウンの2ℓターボで21ps/2.6kgm、C-HRの1.2Lターボで12ps/2.6kgmのパワー&トルクがアップ。そしてレクサスLS500では18.7ps/5.9kgmの出力向上が確認されている。“トムスのパーツを装着している”というステイタス性も見逃せない。
TURBO SMART Boost TEE/In Cabinブーストコントローラー

ターボエンジン黎明期、まだ電子式が存在しなかった1985年頃までは、ブースト圧のコントロールと言えば“機械式”だった。しかし現在でも、例えばドラッグマシンなどアクセル全開オンリーの限られたステージ専用車では使用されているケースもある。
『ブーストティー』は旧来のターボシステムに適応し、配管が短くて済むエンジンルーム内に装着してブースト圧を制御。『インキャビン』は、操作バルブ部を運転席まで引いてきて、運転しながらのブースト調整が可能になる。
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