ターボエンジンのパワーを引き出すべし!ブーストコントローラー見聞録 Part.1
インフォメーション
ターボエンジンは排気の圧力を利用してタービンを回し、吸入空気を圧縮してより多くの燃料を燃やせるようになるという仕組み。この押し込まれる空気は、ある一定の圧力(ブースト圧)が掛かると排気管へとバイパスされ、それ以上ブーストが掛からないようになっている。この圧力の上限を決定しているバルブ(弁)装置が『アクチュエーター』や『ウエストゲート』だ。このバイパス装置にいく圧力を絞ることで弁の開閉を調整し、ブースト圧を高められるようにするのが『ブーストコントローラー』の役割となる。そんなブーストコントローラーの新旧ラインナップを深掘りしていく。
TRUST GReddy Profec

本体にOLED(有機EL)ディスプレイを採用することで、数値の視認性が高いのが最大の特徴となるGReddy Profec。そのディスプレイは、ブースト圧の表示パターンが3種類から選ぶことが可能になっているので、好みに合わせたのも画面にできる事もポイントだ。
ブーストコントローラーの仕様としては、小型ながらも大容量なソレノイドバルブを採用。それを高性能CPUによってドライブすることで、制御速度の向上と安定したブーストを実現させている。
そしてブースト圧の設定は、2つのプッシュボタンとダイアル操作だけというシンプルなもの。直感的な操作が可能になるので、一度覚えてしまえば再度設定変更する際にも迷うことはないだろう。日常ではブースト計としての役割も担ってくれるというのが嬉しい。
そして機能的には、「Hiモード」「Loモード」「スクランブルモード」を設定することが可能で、最大3kg/㎠まで対応。例えば高回転域でブーストがタレてしまう場合には、タレてしまう分を“GAIN”でコントロールして持ち上げてあげればOK。逆にオーバーシュートしてしまう場合はGAINの数値をマイナス方向へと調整することで目標ブースト圧の範囲に収めてくれる。また、ワーニング機能も設定できるので、その領域に入ってしまったら、そこからブースト圧を何%下げるか等のリミッター設定も可能という多機能ぶり。ブースト圧の異常上昇でエンジン&タービンをブローさせてしまう確率を低減してくれる。
TURBO SMART E-Boost Streetブーストコントローラー

パフォーマンスストリート向けとしてレーシング テクノロジーを鋳込めたE-BoostStreetは、高性能プロセッサーをベースとして、クラス最高峰のブーストコントロール機能を装備。コストパフォーマンスや実用的機能も充実のしており、最大ブースト圧、2.12キロまで対応。
独自の「ゲート圧力」機能によって、比類のないブースト制御の応答性を実現する他、ブースト補正や感度調整、補助入力などの機能も盛り込まれる。また、ブースト圧や回転数によって、外部出力によって、外部の補助デバイスをオン、オフさせることも可能だ。
HKS EVC7

かつては汎用の機械式ブーストコントローラー(VVC“バリアブル・バルブ・コントローラー”)一辺倒だった過給圧の制御。1987年になって電子式として発売されたのが『EVC』だ。それから現在までに派生モデルまで含めると、じつに15機種ものステッピングモーター式のブーストコントローラーが創造され、2020年に現行の『EVC7』が登場した。
ディスプレイには視認性抜群の2.4インチのTFTフルカラー液晶を採用。ブースト制御の機能は先代のEVC6-IR2.4を踏襲(最大ブースト圧3kg/㎠対応)しつつ、設定する際の操作性を向上。独立した4つのブースト圧を設定できるので、走るステージに応じて使い分けることも容易になった。またCPUに“EVCハイパーエンジンⅡ”が新採用され、ブースト圧の制御スピード向上やCAN通信も実現した。
スクランブル機能やワーニング機能はもちろん、スロットル信号やエンジン回転信号などを取り込むこともできるので、路面状況に合わせてブースト圧をセッティングすることも可能に。まさに、ドライバーの意のままにブースト圧をアジャストできる多機能ぶりには脱帽だ。EVCシリーズは進化していくにつれ、当然その機能は充実していき、もはや過給圧制御で「これ以上の機能はないだろう」というところまで精密なコントロールを実現している。
HKS EVC-S2
2009年の登場以来、ロングセラーモデルとして人気のEVC-Sが、今年の2月にリニューアル、『EVC-S2』として登場。ブースト制御機能(最大ブースト圧2.5kg/㎠対応)はそのままに、フルカラー1.7インチTFT液晶を搭載することで、ブースト値や各種操作時の視認性が大きく向上。内部のマイコン等のパーツも最新スペックに一新され、処理能力&速度の進化を果たした。
機能的には、プリセットできるモードが2つから4つになり、より幅広い走行ステージに合わせたブースト設定が可能に。さらにスクランブルモードでは最大60秒間、別モードへの切り替えが可能となる。さらに、新たに追加された“サーキットモード(CSM)”では、任意の2モードをワンタッチで切り替え可能となる便利なものだ。
電子式ブーストコントローラーのハイエンドモデル『EVC7』に対し、ブースト制御に特化させることでリーズナブルなプライスも実現している。まだまだ人気の絶版ターボ車で大活躍すること間違いなしだ。
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