エンジンが持つ真価を引き出せ!最新フルコンカタログPart.2
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どんなにハイスペックなチューニングエンジンでも、最適な燃料噴射や点火時期などがマネージメントされていなければ宝の持ち腐れ。純正のECUとセンサーだけで、完璧なるセッティングを取るのは困難なのだ。 そこで登場するのが、通称『フルコン』と呼ばれる高機能なECUシステム。フルコンならば、任意で数多くのデータを取得することが可能で、それらを有効活用することでエンジンのポテンシャルを余すことなく引き出してくれる。ここでは、そんな各社フルコンの人気モデルを抜粋して、その特色を紹介していこう。
Fuel Tech(フューエルテック)
“モータースポーツへの情熱と革新へのチャレンジ”をコンセプトに、2003年にブラジルで起業されたフューエルテック。米国ジョージア州にも拠点が置かれ、世界各国のプライベーターからレーシングチームまで、全てのユーザーに対して、その期待以上の製品開発をすることをモットーとし躍進を続けている。
4.3インチのカラータッチスクリーン一体型の筐体が革新的。このスクリーンを使ってセッティングができるのはもちろん、任意の情報をリアルタイムで確認できるのも魅力。さらには『ドラッグモード』が搭載され、無敵のスタートが切れると評判になって米国ドラッグレースシーンでは約9割もの装着率を誇っている。
FTシリーズのベースとなる『FT450』。エントリーモデルながら、基本骨子はハイエンドモデルと同等で、制御できる気筒数と取得&出力データ数が違うといった違い程度。すなわち、FT450がカバーする条件下のエンジン&使用用途であれば、リーズナブルに完璧なフルコンシステムが組めるというワケだ。
一部の16気筒エンジンを除けば、全てのエンジンに対応できるフルスペックモデル。入・出力数が多くなるので、それだけ精密にクルマを制御することが可能になる。人間のアナログコントロールでは実現できなかった好タイムも、このフルコンの力を借りれば容易に突破できるはずだ。
『FT550』をさらに進化させたハイエンドモデル。筐体はアルミ製のハウジングとなり、ディスプレイ部はアンチグレアTFTタッチスクリーンを採用。その上部には各種アラートやシフトライト等に振り分けられる10個のLEDライトを内蔵。FTシリーズ全てに言えることだが、そのオプションアイテムの充実度もチェックしてほしい。
MaxxECU(マキシスイーシーユー)
クルマの電子制御化が進むも、既存のカスタムECUでは満足にできなかったということに端を発し、2009年にスウェーデンで誕生したMaxxECU(マキシスECU)。そんな想いもあり、ECUの機能面はもちろん、ユーザーインターフェイスや使い勝手、ビジュアル面の最適化等にも留意して設計されている。
「MINI」「STREET」「SPORT」「RACE」「PRO」の5種類をラインアップ。多くの日本車にも対応しており、「MINI」以外の機種には内臓ワイドバンド空燃比コントローラーを搭載。全ての機種に圧力センサー内蔵。「SPORT」以上の機種はBluetooth搭載で、android端末でECUデータの編集やスイッチの設定等も可能となっている。
6気筒シーケンシャル噴射&独立点火が可能。グループ噴射&同時点火ならば最大12気筒まで対応する。内蔵のMAPセンサーにより最大3berのブーストに対応しており、扱いやすいMTunePCソフトウェアで、迅速&的確なセッティングが可能となっている。
「STREET」の機能に加え、各種制御や入出力のポート数に増大によって、多くのデータを収集することが可能になり、より一層エンジンを精密にコントロールすることが可能になる。また、BluetoothでMDash Androidアプリによるリアルタイム表示も可能になる。
86(ZN6)「RACE」を装着し、Bluetooth通信でアンドロイドナビのモニターに表示させた例。モニターによってはスイッチとして活用することができる。5グレードあるうちの「SPORT」以上で可能となる機能だ。
EMtron(エムトロン)
2013年にオーストラリアで設立されたEMtron(エムトロン)。比較的新しいメーカーだが、そのお膝元となるオーストラリアで開催されている“WTAC”では、上位マシンが多数装着するなど、その実力&注目度は高い。日本国内のチューニングシーンでも続々と姿を見せている、高性能フルコンの注目株。
フルコンの性能はもちろんだが、ディスプレイやキーパッドをはじめとする周辺機器に至るまで、その洗練されたデザインにも目を引かれるEMtron(エムトロン)。比較的後発となるメーカーだけに、満足のいく機能と、ユーザーインターフェイスにも拘った作りとなっている。
業界最高レベルのデュアル100Mhzプロセッサーを搭載し、500MBのDDRメモリーを内蔵。1200項目を超えるロギング機能で、セッティングだけでなく走行後の改善点を見つけるのにも活用できる。4chのオシロスコープ、大気圧センサー、3軸Gセンサーも内蔵。汎用モデルのため、100車種以上に対応できる。
『SL6』の上位機種となるKVシリーズ。デュアルDBW制御が可能となり、空燃比センサーの直動も可能となるハイエンドモデルだ。
R35用は、純正互換CAN通信プロトコル搭載で、純正メーターやシフト等も純正同様に使用が可能。VDCプログラムやトラコンも編集可能で、ミッション制御プログラム内蔵、トルク管理も可能という充実ぶり。モータースポーツファンクションを多数有し、86/BRZ用は直噴ドライバ駆動機能も搭載。万全なエンジンマネージメントを提供する。
HKS
1973年の創業した老舗チューニングパーツメーカー。ターボチャージャーを軸にその周辺パーツを充実させていき、国内最大の総合チューニングパーツメーカーとなる。その実力は、最高速やドラッグレース、サーキットでのタイムアタック等で、数々のレコードを打ち立てていることからも察することができる。
燃料制御は8本までのインジェクター制御が可能で、8気筒シーケンシャル噴射はもちろん、4気筒ツインインジェクター制御も可能。点火制御も8系統まで独立設定ができ、点火カットによるレブリミット機能も実現。さらにA/F計を接続すれば自動的に目標A/F値へとフィードバック制御させることも可能。本体内にデータロガー機能が備わるなど充実の内容を誇っている。
A’PEXi
1992年の創業と同時にリリースした“メガホンマフラー”が大ヒット。車高調サスやターボキット、電子系や吸排気関係のアイテムを次々と開発し、総合チューニングパーツメーカーとなった。その中でも注目を集めているのが『パワーFC』だ。
フルコンとしての制御性能と、ロムチューンの手軽さを両立。予めインストールされているデータをベースに、チューニングのレベルが上がればそれに伴ってデータを書き換えていくことで、常に万全なセッティングを維持できる。別売のFCコマンダーは、データの書き換えだけでなく、回転数、車速、インジェクター開弁率、点火時期、エアフロ電圧、ブースト圧などを表示させておくことも可能だ。
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