1.7インチフルカラー液晶採用で見やすさと操作性がさらに向上

10年以上のロングセラーモデルとなっていたHKSのブーストコントローラー「EVC-S」が、ついに第二世代モデルとなる「EVC-S2」へと進化した。

一般的な正圧開放方式の機械式アクチュエーターと、ウエストゲートに対応したソレノイドバルブによるシンプルなブースト制御という基本システムはそのまま、新型EVC-S2では表示部と操作性を中心としたアップデートが行われたのだ。

まず注目すべきは、パーツの“顔”となるモニター部。フルカラー1.7インチ液晶となり、ブースト値や各種操作時の視認性が大きく向上。カラー液晶と画面横の4個のボタンによる操作方式はその他の電子パーツと共通のものとなり、感覚的な操作が可能となったこともトピックだ。

オフセットとレスポンスを基本としたブースト設定方式は従来と同様だが、プリセットできるモードが4個となり、より幅広い走行ステージに合わせたブースト設定を実現。スクランブルモードでは、最大60秒までの任意の時間に選択モードへの切り替えが可能となる。ワーニング機能は設定ブーストを超えた際にブーストダウンを自動的に実行…と、小型ながら必要な機能はフルに備えているわけだ。

また、新たに追加されたサーキットモード(CSM)は、スクランブル機能オフの状態で選択をすると、任意の2モードをワンタッチで切り替えできるもの。グローブ装着状態でも即ブースト変更できる嬉しい機能だ。

その他、心臓部となるコントロールユニットは外観は従来モデルとイコールだが、マイコンなどの内部パーツは最新スペックに一新され、処理能力と速度が格段に向上。ソレノイドバルブと圧力センサーも非常にコンパクトな設計なので、S660のような狭いエンジンルームへの装着も楽勝だ。

時代に合わせて、ブーストコントローラーに求められる最高の性能を追求し続けているEVCシリーズ(現行モデルはEVC7)に対し、究極のコストコンシャスをコンセプトにブースト制御に特化したシンプルさが魅力のEVC-S2。依然人気の絶版ターボスポーツ車などには欠かせない、新定番のブーストコントローラーとなりそうだ。