2024年1月12日に開幕した「東京オートサロン2024」において、マツダはサブブランドとなる「MAZDA SPIRIT RACING」の設立を発表。また2024年もMAZDA SPIRIT RACINGとしてスーパー耐久シリーズに参戦することと、将来的なコンプリートカー販売も示唆しました。

プレスカンファレンスでは、マツダ代表取締役社長 毛籠勝弘氏が登壇し、マツダのビジョンについて語りました。

「マツダはもっとクルマの楽しさを味わい尽くしたいと思っています。走る喜びが生きる喜びに繋がるように、クルマを楽しみたい人のブランドに成長したいと考えています」

そう語ると、2023年のジャパンモビリティショーで発表したスポーツカーコンセプト「アイコニックSP」の反響の大きさに対して感謝を述べました。そして、この反響の大きさに後押しされるかたちで、マツダ社内にロータリーエンジン開発グループを新設することを明言。2024年2月1日から稼働を始めるそうです。

その後はマツダのモータースポーツ活動について紹介し、2021年よりスーパー耐久シリーズに参戦している「MAZDA SPIRIT RACING」を、正式なサブブランドとして育てていくと発表しました。社内組織として、ブランド推進体系本部のなかに「ファクトリーモータースポーツ部門」を設立。MAZDA SPIRIT RACINGとしてスーパー耐久シリーズへ参戦するほか、グラスルーツをベースに置いたモータースポーツ活動を進めていくとのこと。マツダの社内モータースポーツ部門といえば「マツダスピード」が知られていますが、25年ぶりに名称を変えて”復活”することになります。

このMAZDA SPIRIT RACINGのブランドホルダーに就任したのは、かつて「魂動」デザインを手掛け、デザイン本部長などを歴任したのちレーシングドライバーとしてスーパー耐久にも参戦している前田育男氏です。前田氏は、2024年シーズンのスーパー耐久シリーズにおけるMAZDA SPIRIT RACING参戦体制を発表したほか、MAZDA SPIRIT RACINGブランドとして開発中という2台のコンセプトカーを披露しました。

まず紹介されたのが、『MAZDA SPIRIT RACING RS Concept』です。マツダのオープン2シーター、ロードスターの現行ND型をベースとしたコンセプトモデルで、ソフトトップ車では国内初投入となる2リッターエンジンを搭載。さらにエンジン内部にも手が加えられており、もっとパワーが欲しいというロードスターオーナーの期待を裏切らない走りが達成できているそうです。また専用開発されたサスペンションやホイールのほか、外装の各部にも専用パーツを装着。スポーティな外観に仕上げられています。

そしてもう1台が、マツダ3をベースとした『MAZDA SPIRIT RACING 3 Concept』です。スーパー耐久シリーズのST-Qクラスに参戦している車両と同形状のエアロを装着した外観が魅力的なモデルで、こちらの詳細については「現在検討中」とのこと。しかし、モータースポーツ直系であることを感じていただける車両にしたい、と前田代表は力強く語っていました。