フラットウェルとOS技研がタッグを組んで開発!

S660もデビューから5年が経過し、150〜200psを狙うハイパワーチューンも増えてきた。そこで問題となるのがクラッチの許容量。通常の方法で強化しようと思っても、スペース的な制約から難しかったのである。

そんな難題に正面から立ち向かったのが“フラットウェル”。OS技研とタッグを組み、苦心の末に特殊な設計を盛り込んだスーパーレーシングクラッチの製品化に成功したのだ。

S660のミッションケース内部には微妙な膨らみがあり、クラッチカバーの干渉が起こりやすい。何度もテストを繰り返してこの干渉問題をクリアし、強力な圧着力を実現する専用カバーを創出。これにより、230psにも対応する強化クラッチが実現したのである。

クラッチカバーは、アルミ製ではなく薄いスチール材へと変更。これもスペース確保のため施されたデザインの一つだという。そのスペックは、圧着力を4.9kNmの160ps対応モデルと、6.7kNmの230ps対応モデルの2タイプとなる。

また、フライホイールも純正比マイナス2.6kgの標準タイプと、純正比マイナス3.2kgの軽量タイプを用意。組み合わせにより、4つのバリエーションから選択することが可能だ。

専用フライホイールを固定するボルトは、軽量かつ高強度を保つ専用品。右の純正品と比較すると、つばの下にネジよりもひと回り太いストレート部分が備わっている。このストレート部分がフライホイールのネジ穴径にピッタリはまるため、フライホイールの回転動作時もズレることなくしっかりと固定してくれるのだ。

また、強化クラッチを組み込むには強い踏力も必要になる。結果としてペダルへの負担が増大し、ブラケットの破損が起こる可能性も高い。そのようなトラブルを防ぐために、純正ベースの強化ペダルも開発した。

クラッチキットの価格はタイプや組み合わせによって異なるが、12万円〜13万5000円というプライス設定。フラットウェルは、今後もS660のパワーチューンに合わせた製品の開発を続けていくというから、その動向に注目していきたい。

●問い合わせ:フラットウェルレーシングプロジェクト 大阪府高槻市唐崎中3-1-40 TEL:072-678-5552