ハードなオフロードも苦にしないポテンシャルを発揮

TOYOTA GAZOO Racingのブースで、競技車両が並ぶスペースにレクサスLX600が展示されているのに、「なぜここにLX?」と思った方がいらっしゃるかもしれない。昨年もレクサスとJAOSがコラボした「LX600“OFFROAD”JAOS ver.」がジャオスブースに展示されていたけれど、それは「ユーザーへ多様な体験を提供したいという両社の想いを具現化した」コンセプトカー的な立ち位置だった。

これに対し、今年のTGRブースに展示された「LEXUS LX600 "OFFROAD" TEAM JAOS 2022 ver.」は、その延長上にあるもののバリバリのモータースポーツ参戦車両。2022年11月に開催されたBAJA1000(バハ1000)で、ジャオスが運営するTEAM JAOSが走らせたLX600そのものなのである。

BAJA1000は、メキシコのバハ・カリフォルニア州を舞台に競い合う、今回で55回目を迎えたデザートレースの元祖だ。スタートからゴールまで約1000マイル(約1,600km)をノンストップで駆け抜けるキャノンボールレースで、完走率は僅か50%未満という世界屈指の過酷さ。それゆえ完走した者は「全員が勝者」とも言われているオフロードレースだ。

「LEXUS LX600 "OFFROAD" TEAM JAOS 2022 ver.」が参戦したのは、2輪または4輪駆動のピックアップトラック、もしくはSUV車両が参加可能な市販車無改造クラスの「Stock Full Class」。安全を確保し、オフロードを走るため必要最低限のパーツの取り付けはできるが、それ以外はオリジナルに準じた仕様でチャレンジするクラスである。

日本仕様のレクサスLXには3グレードが用意されており、参戦にあたってはそのうちの“OFFROAD(オフロード)”が選ばれた。LXのベースグレードは20インチ、EXECUTIVEが22インチタイヤを装着するのに対し、“OFFROAD”はハイトの高い18インチタイヤを履くほか、前後のデフロック機構が追加され、荒れ地を走破するパフォーマンスを優先したグレードだ。またエクステリアにおいては、スピンドルグリル、バンパー、ドアハンドル、ウィンドーモール、ドアミラー、ホイールアーチなど、他グレードではメッキや車体同色になる部分がブラックもしくはマットグレー調の仕上げとなるのも“OFFROAD”の特徴となっている。

このLX600 "OFFROAD"に、JAOS オーバーフェンダー TYPE-R 20mm(CFRP製)のほか、競技仕様のアンダーガード/フロントチューブバンパー/リヤチューブバンパー/マッドガードⅢブラックを装着。足回りはこちらも競技仕様のBATTLEZ コイルスプリング Ti-WとBATTLEZ VF-R ショックアブソーバー by KYBを組み合わせて強化した。一方、タイヤはTOYO TIRES オープンカントリーR/T(35x12.5R17LT)、ホイールはJAOS TRIBE CROSS 17x8.0J+20(競技仕様)をセット。さらにコクピットには、オクヤマ スチールロールケージ、トヨタ紡織スポーツシートMSH-001などを取り付けている。

なお外装パーツの取り付けや足回りの変更により、ボディディメンジョンはオリジナルモデルより280mm長く、175mm広く、100mm背の高い、5,380×2,060×2,090mmとなっている。