大挙してブースを占拠したGRヤリスは、走る楽しさを徹底的に突き詰めたカスタムが魅力【東京オートサロン】
カスタムカー
GRカローラにGR86、そして魅力的なコンセプトで興味を誘ったAE86も来場者を楽しませてくれたけれど、屋外のイベントスペースに展示されアグレッシブなデモランを披露したGR Yaris Rally2 Conceptを含めれば、総勢6台が集結。TOYOTA GAZOO Racingのブースにおける主役は、やっぱりGRヤリスだった。展示車両は今シーズンのラリーフィールドに投入されるマシンのテストカーから、販売が予定されている魅力的なリミテッドバージョンまでさまざま。そのうち、GRヤリスRZハイパフォーマンスをベースに仕立てられた、2台のスペシャルなモデルからご覧いただこう。
初公開された「GR YARIS RZ “High-performance・Sébastien Ogier Edition Concept”」と「GR YARIS RZ “High-performance・Kalle Rovanperä Edition Concept”」は、WRCで輝かしい戦績を残す2人のドライバーが手がけた限定車。TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team所属選手のうち、2021年にドライバーズタイトルを獲得したセバスチャン・オジエ選手、2022年に同じくドライバーズタイトルを獲得したカッレ・ロバンペラ選手が、内外装から乗り味までをそれぞれ監修した。昨年、12年ぶりに開催されたラリージャパンが話題となったWRCを、さらに盛りあげるべく企画されたのだという。
まず、“Sébastien Ogier Edition Concept”は、鈍く輝くボディカラーが印象的。カスタムするにあたって、セバスチャン・オジエ選手からの要望は“大人でシックなイメージを醸し出す仕立て”であること。カラーはマット感のあるグレーをまとっているが、GRカローラのマットスティールとは異なり、やや明るめの新色を採用。
さらにフランスが母国ということから、さりげなく各部にトリコロールカラーをモチーフにした加飾を加えており、ブレーキキャリパーはこの車両に合わせて用意した新色のブルーにペイント、ホイールには国旗があしらわれている。
エアロにもこだわりがある。ラリーフィールドを彷彿とさせるリアウイングは、大型でありながらボディにとけ込むデザインが与えられ、TOYOTA GAZOO Racingのロゴが入ったサイドデカールも渋めのデザイン。精悍さを湛えつつ、オジエ選手の想いを汲んだ大人っぽさを印象づける仕上がりだ。
一方インテリアにおいては、ステアリングなどにブルー/ホワイト/レッドのステッチを採用した。またオジエ選手はWRCのドライバーズチャンピオンを8回獲得しているレジェンドだが、その8という数字にこだわりがあり、コンソールの専用WRCプレートには“8”の数字が盛り込まれている。
内外装にとどまらず走行フィールの味付けにもオジエ選手の意向が反映されている。4WDモードはさまざまなセッティングを試し、モリゾウと2人の選手が共通して気に入ったというモードのほかに、オジエ選手の好みのモードもスイッチの操作で選ぶことができる。
もう一台の“Kalle Rovanperä Edition Concept”は、斬新なカラーリングがインパクト大。グレーの部分にはカッレ・ロバンペラ選手のゼッケン“69”が細かく入っていているのも特徴だが、これはロバンペラ選手の友人であるザイナーが手がけたものだそう。ドリフトも得意とする22歳の気鋭ドライバーは躍動感のあるデザインが好みのようで、それを反映させたものとなっている。
ボディパーツについても、ロバンペラ仕様のほうがより派手さが際立ち、GRMNヤリス サーキットパッケージに用意されたスワンネックタイプのGTウイングやボディパーツで武装している。
インテリアはステアリング、シフトブーツ、サイドブレーキ、シートなどにブルー/シルバーのステッチを採用。もちろんコンソールには専用WRCプレートを備える。そして、4WDモードセレクトスイッチについては、オジエ選手仕様同様に3人が高い評価をくだしたモリゾウモードのほかに、ロバンペラモードも選べるようになっている。
この2台、販売に移されることは確かなのだが、発売時期や価格、車両の最終的な仕様内容は東京オートサロン開催時点では未定とのこと。それでも成約者にはWRCをともに戦うパートナーとして、WRC競技車両へその証の掲載、さらにセバスチャン・オジエ選手、カッレ・ロバンペラ選手との懇談の機会の提供を検討しているという。WRCファンにはこれ以上にないプレゼントとなりそうだ。
さて、続いては「GR Yaris GR PARTS CONCEPT 2023」をご紹介。2023年1月末にGR Garage限定にて発売予定のニューアイテムを装着した、GRヤリスオーナー必見のモデルである。新製品の多くは、GRMNヤリス用として開発されたパーツをGRヤリスにもフィットするように仕立て直したもので、モータースポーツを楽しまれる方はもちろんのこと、より尖ったテイストにカスタムしたい方にもオススメのアイテムが揃う。
エクステリアでまず目に付くのは「GRカーボンフード」と「GRカーボンリヤウィング」だろう。さらに「GRコールドエアインテークダクト」や「GRクーリングエンジンアンダーカバー(NACAダクト)」も用意する。
また足回りではサーキット走行向けの「GRショックアブソーバセット」、インテリアパーツは「GRフルバケットシート」、「GRステアリングホイール」、「GR軽量シフトノブ」、「GRパーキングブレーキレバー」の設定がある。
TGRブースにはこのほかにもGRヤリスベースの競技車両も展示されていた。「GR YARIS Rally1 HYBRID」は、WRC2023年シーズンに向けたテストカーである。
TGRブースにはこのほかにもGRヤリスベースの競技車両も展示されていた。「GR YARIS Rally1 HYBRID」は、WRC2023年シーズンに向けたテストカーである。
2023年シーズンはマシンをさらに進化させ、ハイブリッドシステム冷却のためのクーリングインレットを含むリヤのボディワークを変更。加えて新しいスペックのエンジンも導入するなど、総合性能の向上に努めている。
もう一台の「GR YARIS GR4 Rally」は、全日本ラリー選手権JN1クラス参戦車両(グラベル仕様)だ。