モリゾウ自らステアリングを握ってGRヤリスを鍛える

1月14日と15日の2日間、東京オートサロン2023の屋外イベント会場において、「TOYOTA Gazoo Racingデモラン」が開催された。デモランを行ったのは、TOYOTA Gazoo Racing(TGR)が開発を進めている「GR Yaris Rally2 Concept」。特に欧州で人気の高いラリー2規程に即したクルマ作りが行われ、2023年には同車両をベースに開発した「GR Yaris WR Concept(仮)」で全日本ラリー選手権への参戦が予定されている。

初日の14日は雨でデモラン会場の路面もウェットとなってしまったが、それでも多くのギャラリーが詰めかけた。それもそのはず、「GR Yaris Rally2 Concept」のデモランを担当したのはTGRワールドラリーチームのチーム代表であるヤリ-マティ・ラトバラさん、そしてモリゾウのニックネームで自らモータースポーツ活動に参加しているトヨタ自動車の豊田章男社長その人だったのである。

「GR Yaris Rally2 Concept」はフィンランドに拠点を構えるTGRワールドラリーチームが中心となって開発を進めており、まずはそのチーム代表であるラトバラさんがデモランを披露。デモランというより開発テストの一環か?と思わせるほど、まさに走って鍛えるを地でいく迫力の走りを展開してくれた。

そうしてタイヤも温まったところで、今度はモリゾウ選手にバトンが渡され、多くのギャラリーの前でドーナツターンや8の字旋回を次々に決めていく。モータースポーツ好きにはもはやお馴染みの光景と言えなくもないが、3年連続で世界販売首位を守った自動車メーカーのトップが、自ら開発車両を振り回しまくる姿は改めて「スゴイ!」の一言だ。

「GR Yaris Rally2 Concept」から降りたモリゾウ選手が、その場ですかさずラトバラ代表のもとに歩み寄り意見を交換。寸暇を惜しんで「もっといいクルマを作る」ための行動を実践しているようだった。ラリー2は市販車に改造を加えたラリー競技車両をカスタマーが購入し、世界ラリー選手権(WRC2/3)や全日本ラリー選手権に参戦するカテゴリーであるため、より幅広い層へと届くクルマ作りが念頭にあるに違いない。