前後150kWモーターで一層パワフルな走りも実現!

22年4月に世界公開されたレクサスのバッテリーEV専用モデル「RZ」。BEV専用プラットフォームのe-TNGAをもとに開発され、71.4kWhのバッテリーを搭載。新四輪駆動力システムのDIRECT4を採用し、優れた車両コントロール性能が標榜されている。

まだ発売前のモデルでありながら、東京オートサロン2023のTOYOTA Gazoo Racingブースには、さっそくカスタマイズされたコンセプトモデルが登場した。それが「LEXUS RZ SPORT CONCEPT」。その開発テーマは、カーボンニュートラル社会の実現に貢献しながら、バッテリーEVならではの走りやカスタマイズの楽しさを追求した、と説明されている。

まず車両前後に搭載されるモーターは、ノーマルだとフロント150kW、リヤ80kWの組み合わせとなるが、「LEXUS RZ SPORT CONCEPT」は前後150kWとリヤの出力を強化。さらにパワフルな走りが実現されている。単純に見た目だけをカスタマイズするわけではなく、BEVとはいえしっかりパフォーマンスアップも図っているところが、この車両のプロデュースを担当したレーシングドライバー、佐々木雅弘選手のこだわりを感じさせるところだ。

そして外装には専用のエアロパーツを装着し、車高も35mmダウンすることでワイド&ローなアピアランスを実現。ノーマルに対して長さは78mmプラスの4883mm、幅は90mmプラスの1985mmまで拡大され、高さは車高ダウンによって1600mmにまで下げられている。

専用のフロントバンパーはアグレッシブなルックスを実現するだけでなく、開口部を最適化。ボンネットにも大きな開口が設けられている。BEVはエンジンがないので冷却性能が必要ないと思われがちだが、じつはバッテリーの温度管理は非常にシビアなため、冷やすことも大事。「スポーツコンセプト」を名乗る以上、サーキット走行なども想定した冷却性能の向上は必須だったということだろう。

「RZ」はもともとフロントからリヤに向けて切り上がっていくようなエッジの利いたキャラクターラインを描き、リヤフェンダーの力強い張り出しも特徴的。「LEXUS RZ SPORT CONCEPT」はさらにオーバーフェンダーやスポーティなサイドロッカーも装着した。ホイールはレイズのVOLK RACING GT090で、サイズは前後21×11.0Jという大径&ワイド設定。組み合わせられるブリヂストンのPOTENZA SPORTも前後295/35ZR21と、高出力モーターの駆動力をしっかりとトラクションに乗せるハイレベルなセッティングが実現されている。

リヤで特徴的なのは二段構えになっているツインカーボンスポイラー。ルーフ後端とテールゲートの中間位置にそれぞれ大型のスポイラーが装着されており、どのような空力効果をもたらすのか興味をそそられる。リヤバンパーの下部もディフューザー形状となっており、スポーティなイメージを高めた。