カーボンニュートラルをテーマにしたAUTO SALON TECH2023(国際会議場2Fコンベンションホール)の中で、ホンダが”らしい独自性の高い製品”を展示していた。ホンダが掲げるカーボンニュートラルを目標としたコンセプト「Honda eMaaS」のコアとなる、Honda Mobile Power Pack e:だ。誰でも扱いやすく、持ち運びやすいようパッケージ化したバッテリーパックで、リチウムイオンセルを内蔵、電圧は50Vで電力量は1.3kWh。Mobile Power Pack e:による、環境にやさしい賢い電気を活用した応用例を示してくれている。 TEXT&PHOTO:髙橋一平(Ippey TAKAHASHI)

GYRO CANOPY e:

郵便局にも採用されているルーフ(キャノピー)付きの電動3輪車。シート下に「Honda Mobile Power Pack e:」を二つ搭載。航続距離は70kmほどで、充電済みのバッテリーパックに交換することで、素早く満充電の状態とすることができる。

Honda Power Pod e: Proto Type

家庭用コンセントと同等の出力(AC100V/1500W)を得ることができるモバイル電源ユニット。交換式バッテリーパックHonda Mobile Power Pack e:の応用製品で、100Wの電化製品ならば10時間以上連続で使用可能。2台連結して交互にバッテリーパックを交換すれば、交換時に電源を落とすことなく連続運転することができる。

Honda Power Pack Exchanger e:

交換式バッテリーパックHonda Mobile Power Pack e:の充電ステーション。太陽光発電などの再生可能エネルギーを用いた充電を前提としている。Honda Mobile Power Pack e:は交換を前提としているため、バッテリーへの負担を最小限に抑えながら時間を掛けて充電する。

電動パワーユニットeGX搭載レーシングカート

F1パイロットのマックス・フェルスタッぺン選手と角田裕毅選手が「Honda Racing THANKS DAY 2022」の模擬レースで駆った、電動レーシングカート。汎用エンジンGXシリーズの電動版「eGX」を搭載。一般に市販されているeGXとハードウェアは共通だが、カートに求められる特性とすべくインバーター部分の制御ソフトウェアは専用(開発中)とされている。Honda Mobile Power Pack e:をシート左右にひとつずつ、計2基搭載。直列で結ぶことで約100Vをモーターに供給する。フェルスタッペンの車両は直筆のサイン入り。
※GXシリーズのエンジンには25ccから100ccまでの排気量バリエーションが用意されていたが、電動のeGXではソフトウェアで出力バリエーションを形成している。