TOKYO AUTO SALON HONG KONG 2026 レポート
イベント
来場者15万人オーバーで熱気に溢れた4日間
初開催となった『TOKYO AUTO SALON HONG KONG 2026』。
会場内に展示される車両を見渡すと、タイやマレーシアでも高い人気を誇るホンダ車をはじめ、ロータリーエンジン搭載のRX-7、ランサーエボリューションやインプレッサといったラリーレプリカ、さらにはGT-Rなど、日本車が数多く並び、その存在感を放っていた。煌びやかに演出された各ブースからは、現地における日本車人気の高さがひしひしと伝わってくる。
現地に販売代理店を構えるHKSの水口代表に話を伺うと、「最近はシビックタイプR(FL5)のパーツが特に人気です」とのこと。新車を手に入れると同時にカスタマイズを楽しむ、熱量の高いオーナーが少なからず存在することがうかがえる。
また、日本から招待され会場に展示されたコンプリートカー『THE HKS SKYLINE GT-R BNR34 Dimension:Z』も、多くの来場者やメディアの注目を集めていた。
そのほかにも、RE雨宮の雨宮剣氏、トップシークレットの永田氏、MAX ORIDOの織戸親娘、KUHL JAPANの片岡氏らが招待車両とともに来場し、現地ファンとの交流を実施。なかでも、外装をフルカーボン化したSTARのハコスカは、スタイリングはもちろん、エンジンルームを開けた瞬間に歓声が上がり、人だかりができるなど、旧車人気の高さを印象づけていた。
また、香港発のミニカーブランド『POP RACE』は複数ブースで多くの車両を展示。さらに、SPOONの市嶋氏・甲斐氏、TRA京都の三浦氏、ファットファイブレーシングの齋藤氏らもゲストとして来場するなど、地元開催ならではの力の入った出展が目立っていた。
会場全体を見渡しても、趣向を凝らした完成度の高いブースが立ち並び、ショーとしての成熟度の高さも強く印象に残った。
もうひとつ、大きなトピックとなっていたのが、ミニカーをはじめとする限定グッズの人気だ。
タイ・バンコク、マレーシア・クアラルンプールに続き、今回の東京オートサロン香港にも出展したトミカのDirector・平野氏は、「アジアでの認知度を高めるためにも、現地のお客様に直接“見て・触れて”いただく機会は非常に重要だと考えています。また、近年トミカが注力している“キダルト(Kidult=KidとAdultを組み合わせた造語)”層へのアプローチにおいても、オートサロンという場はとても相性が良いですね」と語る。
デザインや車種、数量を限定した“ここでしか買えない”ミニカーを用意したブースには、開場と同時に長い行列ができ、その多くが“大人も楽しめる”工夫に満ちたアイテムとなっていた。
香港発祥のモーターショー『IMXpo』との併催
会場の約半分を占めていたIMXpoにも目を向けてみよう。
IMXpoは、新型車からクラシックカー、カスタムカーまで幅広く展示される、香港発祥のモーターショーとして2021年から開催されてきたイベントだ。今年はアジア随一のモーターショーを目指し、東京オートサロンとのライセンス契約を締結。『TOKYO AUTO SALON HONG KONG 2026』との併催という新たな形での開催となった。
BYD、GAC、GEELY、ZEEKR、MGといった中国ブランドを中心とした新車展示を軸に、ドイツ製クラシックカーやスーパーカー、さらには商用車やトラック、業務用の特装車まで多彩なラインアップが並ぶ。小さな子ども連れのファミリー層など、オートサロン単独開催時とは異なる来場者層が多く見受けられたのも印象的だった。
ステージイベントや各種コンテンツも充実
そして会場中央に設けられたステージでは、日本から来場した東京オートサロン2026公式イメージガール「A-class」(橘 香恋/森脇梨々夏/苗加結菜/水瀬琴音/百田汐里)によるライブパフォーマンスをはじめ、香港イメージガールとの対決企画、業界著名人によるトークショーやサイン会、カーオーディオのオークションなど、多彩なコンテンツが展開された。
なかでも注目すべき取り組みが、STEM(科学・技術・工学・数学)教育の一環として、小中学生を招待し、会場見学に加えて専門家による空力講義を行ったことだ。目を輝かせながらクルマを撮影し、真剣な表情で説明に耳を傾ける子どもたちの姿が、強く印象に残った。
統括
平日の木曜日だった開催初日から週末にかけて、連日多くの来場者が詰めかけ、4日間トータルの来場者数は15万6000人と、これまでのIMXpo単独開催時を大きく上回ったという。
会場周辺の駐車場を見渡すと、スポーツカーやSUV、ミニバンなど、ジャンルを問わずカスタマイズされた車両の姿が見られたほか、たまたま乗車したUberがグリーンメタリックにフルラッピングされたテスラ・モデルSだったり、オーディオやライティングが施されたトヨタ・ノアだったりと、街中にもカスタム文化が自然に溶け込んでいることを実感させられた。
一方で、現地の声に耳を傾けると、「改造、とくに安全性を損なうようなパーツやカスタムは厳しく取り締まられます。最近はJDM車が狙われやすいという話も聞きます」「香港はクルマを買う以上に、駐車場代やガソリン代が高く、維持が大変」「チューニングカーは普段使いではなく、珠海国際サーキットで走らせるために所有している」といった現実的な意見も聞かれた。
こうした事情を踏まえると、ミニカーをはじめとするグッズ販売が大盛況だった一方で、カスタムパーツの展示・販売ブースはやや少なめだったという印象も残る。
それでも、初開催ながら高い完成度を見せた『TOKYO AUTO SALON HONG KONG』。来年以降、この地でどのような進化を遂げていくのか──今から楽しみでならない。
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