洗練された走りが魅力のロードスター。そのためシート交換に踏み切るオーナーも多いわけだが、狭いコクピットだけにマッチしないスポーツシートも少なくない。そこで今回は、日本が誇るシートメーカー“ブリッド”に、ロードスターにも装着可能なシートについて聞いた。

ゼロ VS

純レース用シート製作のノウハウを注ぎ込んで開発されたのがゼロシリーズ。FIA競技のほとんどのカテゴリーで義務、または推奨されているヘッドガードを採用した新世代のレーシングフルバケットシートだ。

シリーズの特徴の1つであるヘッドガードは形状&大きさが違う4タイプが用意されているが、ロードスターに人気なのは最もコンパクトなヘッドガードを装備したVS。シェル形状、クッション材、表皮素材、デザインなど、各所にこだわって機能性・快適性・安全性を高い次元で実現したこだわりのフルバケットシートは常に正確なペダルワークとステアリング操作を可能にしてくれる。なお、ヘッドガードはもちろん車検対応サイズ。

ジーグ4

サーキット走行などの強い横Gに対してもドライバーをより深く包み込む“猫背”ラインのディープホールド形状により高いホールド性を実現しているのがジーグ4。極限の戦いを繰り広げているプロドライバーによる要求にも余裕で応えることができるフルバケットシートだ。

その特徴的な“猫背”ラインを実現するためバックレストはラウンド形状となり、アイポイントも低くすることが可能。高いシェル剛性を誇るスポーツ走行での強い味方であるのと同時に座部腿部のクッションにはモールドウレタンを採用することで長時間運転の快適性や耐久性も考慮されている。

ジータ4

日本人の平均身長と体重に合わせてデザインされたブリッドを代表する定番フルバケットシートがジータシリーズ。その最新モデルであるジータ4は、アラミドによる補強など工法の変更によるシェル剛性の向上、モールドウレタン素材をクッションに採用して耐久性を向上させるなどにより、安全性や快適性が確保されているのだ。

ジータⅣとジーグⅣのシートバック形状の違いが良くわかるのではないだろうか。どちらを選ぶかはドライバーの体型や好み次第だが、ジータⅣには身長160cm以下の小柄なドライバー向けのスモールチューニングモデルもラインアップされている。

エアー

ブリッドのラインアップにおいてもひときわ個性的なのが2シーター用に開発されたエアー。卵形の座面とやや寝た猫背型の背面形状にローマックスシステムを組み合わせることにより、タイトなコクピットに身長が高いドライバーという組み合わせでも十分なヘッドクリアランスを確保。従来のフルバケットではなしえなかったゆったり感を実現させている。

シートベルトホール付近のシェル形状を工夫することで座面幅を確保して快適性をアップ。また特殊形状のシェルを新開発してシート剛性にもこだわっているのだ。

エルゴスター

スポーツ走行だけでなく、日常生活の相棒としても活躍しているロードスター。通勤・通学やお買い物にもこれ1台というひとにとって注目なのが2024年のニューモデルであるエルゴスターではないだろうか。

ドライバーが疲れにくい「ニューエルゴノミクスデザイン」が採用されており、 ユーロシリーズよりもショルダー幅を抑えることで、座席スペースがタイトな車種にも装着できるよう配慮。ドライビングポジションは純正と同等ということで使いやすさも確保しつつ、エッジの効いたショルダーデザインでスポーティなルックスと包み込むサポート性を両立している注目の新製品だ。