近年隆盛を見せるマレーシアのチューニング事情を追った

日本からは6台のチューニング&カスタムカーが登場

2023年6月9日(金)、マレーシア・クアラルンプールで「東京オートサロン・クアラルンプール2023」が開幕した。このイベントは、タイの「バンコク・インターナショナル・オートサロン」を上回るアジア最大規模を目指したカスタムカーショーだ。

会場となるマレーシア国際貿易展示場(MITEC)は、マレーシアの首都クアラルンプールの中心地にあるコンベンションセンター。会場は幕張メッセ国際展示場の2ホール分程度の広さだ。

日本からはHKSやトラスト、クールジャパンといったカスタムパーツサプライヤーに加えて、トップシークレットやガレージアクティブなどのチューニングショップからトータル15台ものマシンを出展。来場者たちからの注目を集めていた。

チューニングアプローチだが、近年富裕層の間で日本製パーツが浸透していることもあってRX-7であればRE雨宮、ド派手なワイドボディキットであればリバティーウォークなど、日本でも見かけるような仕様のマシンも珍しくない。ハイパワーを求め、2JZをスワップするという手法はこちらでもメジャーな一手だ。

ホンダ車をベースにしたチューンドが多いのもマレーシアの特徴。現行型FL5の姿は確認出来なかったが、FK8型をベースとしたマシンは珍しくない。ハードチューンとなるとEK系がメジャーで、エンジンベイの作り込みも抜かりない。

ミニバン系もカスタムの定番。マレーシアではかなりの高級車だが、30系アルファードとヴェルファイアは街中でもメジャーな存在だけあって、カスタムも盛り上がりを見せた。

また、マレーシアでは富裕層を中心にオートキャンプが流行しつつあることから、アウトドアを意識したカスタムカーも珍しくない。この辺りは、日本のカーカルチャーから影響を受けたものであることは間違いないだろう。

日本国内のみならず、マレーシアでも絶大な人気を誇るT&Eは自社ブースを構え、ステアリングなどのオリジナルアイテムを猛烈アピール。常に人だかりができる人気ぶりを見せていた。

車両展示は会場外の通路でも行われた。こちらも多国籍のカスタムカーが並んでいたが、やはり主役はJDMマシン。特にセンチュリーに搭載されたV12(1GZ-FE)エンジンをスワップしたR34型スカイラインは大人気で、多くの来場者の注目を集めていた。

とはいえ、マレーシアにおいてチューンドベースとなりうる車両はまだまだ高嶺の花。チューニングやカスタムは富裕層向けのカルチャーと言わざるを得ないのが現状だ。

しかしながら、ここマレーシアでチューニング文化が拡がり始めているのは紛れも無い事実。日本のシーンに影響を受けつつ、今後どのような発展を迎えるのか楽しみに見守りたい。