佐々木雅弘選手監修のアイテムで見た目も乗り味も進化

1966年のデビュー以来、12世代にわたって愛されてきたカローラは、累計販売台数世界1位を更新し続けるトヨタが誇るグローバルモデル。近年はファミリーカーのイメージが強いが、2T-G型DOHCユニット搭載したTE27レビンや、今年のブースでも注目を浴びていたAE86などスポーツモデルが人気を博していたこともあった。

走りに対するより強いこだわりを表現した現行モデルのカローラスポーツやカローラツーリングの登場は、ぐっとフレッシュな魅力を訴求したけれど、トヨタはその先にコマを進めた。さらに高性能なカローラをと「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を実践し、「GRカローラ」を送り出したのである。

カリフォルニアのロングビーチでワールドローンチされたことからもわかるとおり、GRヤリスは欧州をターゲットに、北米マーケットは同様なメカニズムとキャラのハイパーフォーマンスモデルながら5ドアハッチバックのGRカローラが担うことになる。

エンジンはGRヤリスにも搭載されている1618cc直列3気筒ターボをさらに強化して搭載し、最高出力304PS、最大トルク37.0kg-mを発揮。同じくGRヤリスに搭載されたスポーツ4WDシステム GR-FOURを最適化して搭載するなど、操る楽しさを追求しつつ、限界領域でも安心・安全にコントロールできるクルマへと仕上げた。

機能美と迫力を感じさせるエクステリアも大きな魅力。基本骨格としたカローラスポーツに比べて、フロントフェンダーおよびリアフェンダーをともに片側約30mm広げており、ワイドなスタンスで野性味のある走りを予感させる。冷却性能、空力性能を鍛え上げたことで設けた、フロントバンパーのインテーク、フロントフェンダーとフードバルジのアウトレットも高性能の証と言えるだろう。

日本における発売は軽量化や動力性能向上を行った70台限定の「GRカローラ モリゾウエディション」のほか、標準グレードの「GRカローラ RZ」も初期の500台は抽選販売になり、現時点では受付が締め切られているが、まだデリバリーが始まる前ながら早くもカスタマイズバージョン「GR COROLLA AERO CONCEPT」がトヨタGAZOOレーシング(TGR)ブースに展示された。

TGRが掲げた今年の出展テーマは「トヨタはクルマ好きを誰ひとり置いていかない」。その中で「愛車と楽しむ多様なライフスタイル」をコンセプトとして、主にボディパーツを中心としたモディファイが行われており、それに合わせて足回りや排気系にも手が加えられている。参考出品というかたちで来場者の反応をうかがうというスタンスでの展示ではあるが、これらのパーツは市販を想定して開発されたもの。その出来映えに注目が集まった。

エアロキットを監修したのはGR86/BRZ Cupやスーパー耐久でトヨタ車を駆るレーシングドライバー 佐々木雅弘選手である。自身がプロデュースするブランド「GROW MOTOR SPORTS」では、すでにGR86のエアロパーツをラインナップしており、プレシャスメタルのボディカラーが精悍なGRカローラ RZには、その経験を活かしたアイテムの数々がちりばめられている。

まずエアロキットはリップ形状のフロントディフーザーのほか、モールタイプのフロント&リアオーバーフェンダー、そしてローカーモール部分にサイドディフューザーを装着。さらにリアスポイラーはラリーカーを彷彿とさせる大型のウイングタイプとリアウインドー下に取り付けるスポイラーをセットで用意している。

ボディパーツのほかにマフラーもスペシャル。FUJITSUBOとのコラボレーションで、チタンテールが美しいセンター2本出しタイプが装着されていた。もちろんリアディフューザー、リアガーニッシュもこのマフラーにフィットした専用デザインを組み合わせている。