パジェロミニを知っていたなら、違和感なく受け入れられるネーミングだと思ったが、さてみなさんはいかがだろうか。三菱車のラインナップに「DELICA MINI(デリカミニ)」が加わると発表があったのは昨年11月のことで、実車が東京オートサロンに参考出品された。発売は5月の予定となっている。

コールマンとのコラボと雪山を駆けるイメージの2台を展示

独自の路線を歩んできたワンボックスタイプのSUV、三菱デリカの歴史は長く、1968年に発売された「デリカ トラック」がその始まりで、55周年を迎える今年にデリカの名を冠した新たなモデルが加わることになる。ネーミングから想像できるように、デリカミニは軽自動車だ。しかも軽スーパーハイトワゴンだから、既存のラインナップにあるeKクロススペースとキャラが被るのではと気づいた方も多いだろう。

確かに“成り立ち”は同様だが、SUVらしいスタイリングの表現方法が変わった。どちらも三菱車に共通するフロントデザインコンセプト「ダイナミックシールド」に則った顔立ちが与えられているが、デリカミニは半円形のLEDポジションランプを採用したヘッドランプを組み合わせることで、より親しみやすい表情にまとめている。

その上で、デリカらしい力強いデザインと大径タイヤによるSUVらしいスタイリングで、デリカミニならではの魅力を訴求。さらにアウトドアから日常使いまで便利で快適な広々とした室内空間や、毎日の運転をサポートする走行性能と安全装備を充実させることでユーザーの行動範囲を拡げ、家族や仲間と楽しく過ごす時間やレジャーシーンを提供できる軽スーパーハイトワゴンに仕立てられている。

そして東京オートサロンの三菱ブースには、標準車のデリカミニほのかに2台のカスタムバージョンが展示された。そのうちのひとつが「デリカミニ×Coleman」で、アウトドアブランドとして広く親しまれているコールマンとコラボレーションしたモデル。アウトドアを「家族」や「仲間」とともに楽しむことで、ワクワクする時間や新しい挑戦をする気持ちを後押ししたいという想いを表現した。

まずはラッピングによる独自のボディカラーが目を引くが、これはコールマンの新商品に用いられる「グレージュ」を採用。ベージュとグレーを掛け合わせたような色味だが、サイドにはコールマンの商品をシンボライズしたランタンのステッカーをあしらいアウトドアユースの雰囲気を醸し出している。

そのほかエクステリアでは、ダイナミックシールドとグリルガーニッシュをブラックに、またバンパーエンブレムをホワイトに変更。さらにルーフラックやマッドフラップを取り付けてカスタマイズテイストを演出した。タイヤは165/60R15サイズのTOYO OPEN COUNTRY RT WLを組み合わせているが、やはりこういった仕様にはよく似合っていた。

そしてもう一台のカスタムモデルは「デリカミニ SNOW SURVIVOR」。雪道を力強く駆け抜ける「デリカ」のイメージを、共通の世界観でコーディネートしたカスタムカーである。雪山を思わせるホワイトのラッピングに、等高線をモチーフにしたグラフィックとスノーカモフラージュを施しているのが特徴で、そこにSNOW SURVIVORのロゴも盛り込んでいる。

一方、インテリアでは助手席と左側後席をフラットにして、荷室も利用しつつ設置するクラフトAOI製HINOKIシングルベッドキットを取り付け。リヤウインドーにはアイズ製ウインドーバグネット(網戸)も装着するなど、車中泊をイメージしたアイテムでカスタムされていた。

エクステリアの追加アイテムはさらに本格的。Autoflags DANSYAQフロントバンパーガードのほか、フロントバンパー下部にはIPFの600シリーズCUBEワーキングランプを並べて装着。さらにautoflagsのBUSTERSルーフラック/リアラダーなどによってユーティリティを高める工夫も盛り込まれていた。

なお、デリカミニのラインナップは、エンジンの違いでNAエンジン車の「G」、ターボの「T」を用意し、それぞれ標準モデルのほか装備の充実したPremiumを設定。さらに各グレードで2WDと4WDが選べる。今回展示されたデリカミニはT Premium(4WD)で、ボディカラーはデリカミニのデビューに合わせて追加された新色のアッシュグリーンをまとっていた。また、2台のカスタムモデル「デリカミニ×Coleman」と「デリカミニ SNOW SURVIVOR」はT(4WD)がベースとなっている。